こんにちは! DITinoueです!
さて、このブログをご覧になっている皆様の中には、きっと息子さん、娘さんを持つ方もいるでしょう。その中に、ひょっとすると子供が恐竜大好きで、大きくなったら恐竜博士になりたい! と言っているのよという方もいるかもしれません。
かつては僕もそんな子供でした(今もか)
今回は、そんな恐竜博士を志す子供たちの“目指す場所”そして“スタートライン”が日本に誕生するというニュースをお届けします。
それではどうぞ。
勘違いしてはいけないこと
説明を始めるにあたって、いくつか前置きとして、一つだけ、注意していただきたいことがあります。
まず、恐竜の勉強と言っても、「恐竜学」という学問があるわけではありません。
恐竜について学ぶには、「古生物学」と「地質学」を学ぶ必要があります。
古生物学は、太古の生き物についての学問で、地質学は地面の岩の種類なんかの学問です。古生物学は理解できるかなぁと思いますが、地質学はやはり、恐竜は化石になるため、化石についての知識、そして、化石が出てくるところ、つまり地層についての知識を身に付けるために学ぶ必要があるわけですね。
間違っても、「考古学」を選んではいけません。
下の記事でも解説していますが、考古学は、ほとんど生物の勉強なんてしません。
考古学というのは、日本の歴史、縄文時代の遺跡を研究したり、弥生時代の土偶を研究したりする学問です。文理で言うと文系になります。
古生物学や地質学は、理系ですので、そこをお間違えの無いようお願いします。
これまでの日本の恐竜学習
元々、日本は恐竜が見つかる場所じゃないと言われていたため、古生物の研究はもっぱら哺乳類学者などが行うことも多かったんですね。
そこから、だんだん恐竜の発見が相次ぐようになってきて、恐竜専門の古生物学者が相次いで誕生。その中から、世界の権威となる人も出てきました。
そこで、日本で空前の恐竜ブームが巻き起こり、「恐竜博士になりたい!」という子供が多くなってくると、日本でも徐々に恐竜研究が出来る地盤が整ってきます。
北海道大学や筑波大学、岡山理科大学などをはじめ、国立大学の理学部地球科学科ではわりと恐竜の勉強が出来るようになってきました。
ですが、恐竜を「専門的に」学ぶことの出来る大学はなかなかに少なく、基本的に古生物学を志す者は、アメリカやカナダ、中国など、恐竜研究の「本場」に留学したり、そこの大学院に入学したりして学んでいたんですね。
なので、日本としてはどんどん人材が流出していっている状態。
日本の恐竜についての関心が高まっている今だからこそ、国内の恐竜研究の地盤を整えたい。
そういった意図で、今回、ついに、恐竜を「専門的に」学べる環境が整ったのです。
恐竜学科、恐竜学部が誕生
恐竜を専門的に学べる環境。
ずばり、「恐竜学科」と「恐竜学部」と、ダイナソーの名を冠した部門が誕生しました。
恐竜学科は先程も名前の出た岡山理科大学、恐竜学部は日本の恐竜と言えばここ、福井県の福井県立大学に誕生します。
ひとまず、それぞれ解説しますね。
岡山理科大学 恐竜学科
元々、岡山理科大学は「恐竜を本格的に学べる大学」としてPRを続けていた大学でした。
日本を代表するような教授もいますし、豊富な生の化石標本を使った授業があったり、教授のモンゴルへの発掘などに同行したりすることもあるそうです。さらに、大学の一角にある恐竜博物館を使うこともあります。
そんな岡山理科大学ですが、恐竜について学べるのは、これまでは生物地球学部生物地球学科の「恐竜・古生物学コース」でした。
ですが、恐竜・古生物学コースが来年の四月からは、生物地球学科から独立し、「恐竜学科」としてスタートを切ることになったのです。
何が変わるかというと、まず定員。恐竜・古生物学コース時代の三十人から、四十五人に拡張されます。
専属教員も四人から八人に増え、研究領域も従来よりも幅広くなるとのこと。
恐竜の病気(下の記事でも解説しています)や身体の組織の解明、現在の生物への系統なども研究するそうです。
岡山理科大学は2013年に、モンゴル科学アカデミーと教育研究の協定を締結しており、それからゴビ砂漠での化石発掘なども行われています。
恐竜化石の宝庫であるゴビ砂漠での発掘を大学で体験できるなんて魅力的です。
福井県立大学 恐竜学部
お次は福井県立大学の恐竜学部。
これはどういうものかというと、上から順番に
- 恐竜学部
- 恐竜・地質学科
- 恐竜・古生物コース/地質・古環境コース
という感じになっています。恐竜学部という名前ですが、恐竜だけでなく地質などの専門になるということも出来るということなのでしょうね。
つい先日、文部科学大臣の承認を受け、こちらも来年の四月から立ち上がるそうです。
定員三十人で、自己推薦書などで選考する「総合型選抜」と、受験者本人か保護者が福井県在住の「地域枠」を設定するとのこと。
特色は何と言っても、福井県立恐竜博物館との連携です。
二年になると、福井県立恐竜博物館のすぐそばのキャンパスで学ぶこととなり、博物館の資料を使った授業があったり、博物館の研究設備の使用が出来たり、学芸員のノウハウも身に付くという。
手取層群でのフィールドワークもたくさんあるそうで、福井の恐竜に関する知見と施設をとことん生かしたものになっていますね。
さらに、海外との交流や、最新機器を使った研究なども予定されています。
個人的に面白そうだなぁと感じたのは、学芸員の手も借りながら博物館の展示を考えて発表するというもの。
世界三大恐竜博物館の展示を考えられるなんて、なんとも魅力的だと思いませんか?
こちらに関しては公式サイトも出来ているので、ぜひのぞいてみてください。
恐竜好きのお子様がはしゃぐこと、間違いなし。
さいごに
というわけで、今日は岡山理科大学と福井県立大学に、それぞれ恐竜学科と恐竜学部が誕生するというニュースをお伝えしました。
これを皮切りに今後、ますます日本の恐竜研究が盛り上がり、若い世代の育成も進んでいくはずです。
僕もこの記事を書いていたら、思わず受験届を出してしまいそうな感じがしました(笑)
お子様が、またはご自身が恐竜博士を目指したい、ということなのでしたら、ぜひこの二つの大学、憶えておいてください。
それでは今日はこの辺で! 次回もよろしくお願いします! 最後まで読んでくださりありがとうございました!