こんにちは! DITinoueです。
お久しぶりですね。
テストが短いスパンであったもので、そちらに集中していました。
期末テストが終わり、あとは夏休みにまっしぐら、という感じですね。
さてさて、そんな中でも世の中は動いていきます。
今回は、みんな大好きティラノサウルスの進化の謎をまた一つ解き明かすカギになる恐竜が見つかったという話題をお送りします。
どうぞ。
最近、ティラノサウルス類が話題沸騰中
みんな大好きティラノサウルス。
どれだけ恐竜に疎くとも、さすがにこれくらいは知っているであろう恐竜界のトップスター。
それだけに、どの恐竜よりもたくさんの研究が行われては、人々を引き付けてきました。
そんなティラノサウルスですが、どのように進化してきたのか、という研究が今、話題沸騰中なんです。
ティラノサウルス類は、アロサウルス類との共通の祖先から派生した、小型の肉食恐竜の中から進化したと考えられています。
その、ティラノサウルスの先祖の恐竜の中には、最初に羽毛が確認された恐竜である、「シノサウロプテリクス」も含まれているので、子孫であるティラノサウルス類はほとんどの恐竜が羽毛を持っていたと考えていいでしょう。
シノサウロプテリクスの化石(羽毛が確認できます)
ちなみに、シノサウロプテリクスは、色素を抽出することで、体色が分かっている恐竜でもあります。気になる方はググってみてください。
そこから派生したティラノサウルス類は、小型の肉食恐竜でしたが、それがだんだん巨大化。
アジアの方で栄えていたものが、当時は陸続きだったシベリア、アラスカを通り、北アメリカ大陸へ渡り、そこでさらに進化して、ティラノサウルスが誕生したとされているのです。
近年、ティラノサウルス類の新種の発見が相次いでいます。
主にアジアで、アメリカに渡る直前くらいの恐竜が多く見つかっているんです。
今回の恐竜も、原始的な小型肉食恐竜がティラノサウルスへ進化する中間地点にいるものと言えるでしょう。
カンクウルウ
その恐竜というのが、「カンクウルウ・モンゴリエンシス」です。
カンクウは「王子」、ルウは「竜」を意味します。種小名のモンゴリエンシスは「モンゴルの」といった意味合いなので、「モンゴルの竜の王子」という感じですね。
(種小名についてはこちら☟)
カンクウルウと聞くと、関空のカレールウ? と思う方もいるでしょうが(僕です)、ちゃんとした名前です。
ティラノサウルスとは違い、わりとシュッとしている感じですが、獰猛な肉食恐竜であるということは変わりなかったと言われています。
元々は、アレクトロサウルスという似たような感じの肉食恐竜だと考えられていましたが、そこが見直され、今回、カンクウルウと命名された、というわけですね。
この恐竜の発見が何を意味するのか。
それは、ティラノサウルスの進化の道筋に、新説が誕生することです。
僕はこの記事の冒頭で、「小型の肉食恐竜がアジアでティラノサウルス類になり、その一部がアメリカにわたってさらに進化、ティラノサウルスが誕生」、といったことを書きました。
しかし、この恐竜が発見されたことは、それが覆されるかもしれないということなのです。
ティラノは一旦、アジアに帰省してる?
その説というのはどういうものか。
まず、祖先となる小型肉食恐竜がアジアで進化し、原始的で小型のティラノサウルス類が誕生し、それがアメリカへ渡ったというのは一緒です。
違っているのはここから。
なんと、アメリカへ渡ったティラノサウルス類は、一度アジアに戻っているというのです。
つまり……帰省です。
帰省したティラノサウルス類ですが、アジアで二つの種類に分かれて進化した、と。
一つは、モンゴルの王者・タルボサウルスや、本家ティラノサウルスのような、ごつい感じの肉食恐竜。
そしてもう一つは、この恐竜のように、スラッとして俊敏な肉食恐竜です。
このうち、前者がもう一度アメリカへ戻って進化した結果、ティラノサウルスが生まれたのではないか、という考えが、「新説」です。
その根拠となりうるのが、カンクウルウの発見である、と言うことなんですね。
せっかくアメリカへ行ったのに一度戻ってくるとは。
やはり古生物学は、一筋縄ではいきませんね。
さいごに
というわけで、今日は新種のティラノサウルス類、カンクウルウと、ティラノサウルス類の進化にまつわるお話でした。
ティラノサウルスは、一般人にも研究者にも人気なので、今後ますます研究が進んでいくことが期待されます。
今回のように、二転三転と事実が変わっていく。
これが、古生物学の醍醐味というやつですね。
僕たちは新事実を楽しみに待つこととしましょう。
それでは今日はこの辺で! 次回もよろしくお願いします! 最後まで読んでくださりありがとうございました!