こんにちは! DITinoueです!
さて、今日は恐竜の名前&分類が解読できるようになる講座の二回目です。
前回は、分類学的な学名と、分類階級の基本についての話でした。
今回は、恐竜の分類について紹介していきます。
それではどうぞ。
前回のおさらい
前回は、学名は「属名+種小名」で出来ているということ、界門綱目科属種という分類階層と、古生物は基本的に一属一種であることを説明しました。
前回の記事はこちら☟
第二回 恐竜の分類
今回は、恐竜の分類についての話です。
恐竜の分類図
まずは、こちらをご覧ください。
恐竜は、このように分類することが出来ます。
ざっくり言うとこんな感じです。
それぞれのグループはどのような恐竜たちのグループなのかというと、
- 獣脚類:ティラノサウルス、アロサウルス、ベロキラプトルなど、肉食恐竜が多く属する、かぎ爪の持った仲間
- 竜脚形類:ディプロドクス、ブラキオサウルス、アルゼンチノサウルスなど、長い首に小さな頭を持った仲間
- 装盾類:背中に独自の骨を持った仲間。その中で、剣竜類はステゴサウルスに代表される、背中に板状の骨を持った仲間、鎧竜類はアンキロサウルスなど、背中に棘や鎧状の骨を持った仲間。
- 周飾頭類:頭に独自の骨を持った仲間。その中で、堅頭竜類はパキケファロサウルスに代表される硬いドーム状の頭骨の仲間、角竜類はトリケラトプスなど、後方に発達した頭骨(フリル)を持つ仲間
- 鳥脚類:イグアノドン、エドモントサウルス、パラサウロロフスなど、二本足でも四本足でも生活することが出来た仲間。
です。
では、順に解説していきます。
そもそも、恐竜とは?
そもそも、恐竜とは爬虫類の中でもどのような特徴を持った生物たちなのでしょうか。
まず一つ目は、脚が真っすぐ伸びていること。
どういうことかというと、
精一杯の絵を描きました(;^_^A
こういう感じで、左がワニ、右がティラノサウルスなんですが、ワニの方を見てもらうと、脚が横から伸びて、がに股になってるじゃないですか。
一方、ティラノサウルスは身体の真下から脚が伸びています。
この脚によって、二本足で立って速く走ったりすることが出来たりして、恐竜は繁栄することになるのですが、それはまた別のお話。
そして、この脚の秘密は骨盤にありまして、こういう風になっています。
ワニの大腿骨(左側)は斜めに刺さっていますが、恐竜は少し違って、骨盤に穴が開いていることで、このように真っすぐ足を延ばすことが出来るんです。
さらに、恐竜は足首の作りが簡単で曲げやすいという特徴もあるんですね。そこで、足場の悪いところでも速く移動することが出来たのです。
竜盤類と鳥盤類
次に、恐竜の中での二つのグループ、竜盤類と鳥盤類について紹介します。
この二つのグループの何が違うのかというと、また骨盤が違うんですね。
どういう風になっているのかというと、このようになっています。
左が竜盤類、右が鳥盤類です。
竜盤類はトカゲやワニと骨盤の形が似ていることから、鳥盤類は鳥類と形が似ていることからこの名がつけられています。
この説明を読んで少し分かった方もいるかと思いますが、獣脚類の仲間で進化が進み、鳥に近づいた肉食恐竜は、鳥盤類に近い骨盤になっていきます。
詳しい話は、また別の機会にしますね。
竜盤類のグループ
竜盤類には、獣脚類と竜脚形類が属しています。
(ちなみに、原始的なものでどちらにも属さない、それぞれの共通の先祖も存在します)
獣脚類は、
- 原始的な獣脚類のグループ(コエロフィシス類やケラトサウルス類など)
- テタヌラ類(メガロサウルス類、スピノサウルス類、アロサウルス類など)
- コエルロサウルス類(ティラノサウルス類、コンプソグナトゥス類、オルニトミムス類、テリジノサウルス類、アルバレスサウルス類、オビラプトル類など)
- デイノニコサウルス類(ドロマエオサウルス類、トロオドン類)
- 鳥類
の五つの大まかなグループ分けがあります。
テタヌラ類は、尻尾の骨があまり動かない作りになった恐竜、コエルロサウルス類は、原始的な羽毛を持つ共通の先祖から派生したグループ、デイノニコサウルス類は鳥類に最も近く、全身を羽毛が覆った恐竜たちです。
竜脚形類は、
- 原始的な竜脚形類(プラテオサウルスの仲間など)
- 原始的な竜脚類(マメンチサウルスの仲間など)
- 新竜脚類(ディプロドクス類、カマラサウルス類など)
- ティタノサウルス形類(ブラキオサウルス類、ティタノサウルス類など)
の四つにグループ分けが出来ます。
竜脚類というのは、竜脚形類の中でも大型化し進化したグループのことです。その中でも新竜脚類というのは歯が顎の前の方だけにあり、頭骨のてっぺん近くに鼻孔があります。
ティタノサウルス類は、口の幅が広く、鼻の穴が大きくなっているグループです。
鳥盤類のグループ
鳥盤類のグループは、まずどのグループにも属さない、原始的な鳥盤類のグループがありまして、そこからまず、装盾類が進化を始めました。
装盾類は、剣竜類と鎧竜類が共通の先祖から枝分かれし、進化しています。
共通の先祖というのが、こういう恐竜です。
そこから、ステゴサウルスの剣竜類やアンキロサウルスの鎧竜類が誕生しました。
その中で、鎧竜類は、アンキロサウルスなど、尻尾の骨が固まって出来たハンマーを発達させたアンキロサウルス類と、大きな棘を付けて身を護るようになったノドサウルス類の二種類があります。
日本では、主にノドサウルス類が多く見つかりますね。
次に、鳥盤類の中でも「新鳥盤類」というものが派生します。
その原始的な新鳥盤類の中から、鳥脚類と周飾頭類の二つのグループが分かれ、進化を始めます。
まず、鳥脚類は、
- ヒプシロフォドンの仲間
- イグアノドンの仲間
- ハドロサウルス類
という順番で進化していきました。
ヒプシロフォドン類は、まだ二足歩行でちょこまか走ってるような恐竜。続いて、イグアノドン類は四足歩行でも歩くようになり、前足の親指に大きな爪(スパイクと言います)が付いた恐竜。最後に、ハドロサウルス類というのは、デンタルバッテリーという、奥歯にあるびっしりと細かい歯を発達させ、硬い植物を効率よく嚙み砕くのに特化した恐竜たちです。
もう一方の周飾頭類は、パキケファロサウルスなどの堅頭竜類と、トリケラトプスなどの角竜類にわかれました。
堅頭竜類は、頭がヘルメットのように盛り上がっており、てっぺんが分厚くなっている恐竜です。あまり種類数は多くはありません。
角竜類は、このように進化が進みました。
- プシッタコサウルス類
- プロトケラトプス類
- ケラトプス類
まず、プシッタコサウルス類というのは、まだ角もフリルも無い、二足歩行の小型恐竜です。ただし、頬の骨の張り出しや嘴など、角竜類の特徴を確かに備えています。
次にプロトケラトプス類は、少しフリルを発達させた種類で、初期のころはまだ二足歩行で歩く恐竜でしたが、白亜紀後期になると、四足歩行で歩き、少しずつ角を持つ種類も出てくるようになりました。
そして、白亜紀後期に登場した、進化した角竜類であるケラトプス科の恐竜。
その中には二つの種類があります。セントロサウルスの仲間と、トリケラトプスの仲間です。
セントロサウルスの仲間は、フリルからは大きなスパイクが伸びています(下の写真参照)。また、鼻の上にしか角の無いものと、目の上にも角があるものが存在します。
一方、トリケラトプスの仲間はフリルに目立った装飾は無く、目の上には大きな角が二本生えています。
憶えるべきワード
- 竜盤類
- 鳥盤類
- 獣脚類
- 竜脚形類
- 装盾類
- 剣竜類
- 鎧竜類
- 鳥脚類
- 周飾頭類
- 堅頭竜類
- 角竜類
その他にも、テタヌラ類やコエルロサウルス類、デイノニコサウルス類、竜脚類、アンキロサウルス類とノドサウルス類といったワードもわりと出てくるので、こちらも併せて憶えてください。
さいごに
今回紹介した恐竜の分類についての知識を覚えるだけで、このブログの記事や恐竜についての記事、恐竜博物館での見方もかなり変わってくるかと思います。
ケラトサウルス類の恐竜を見れば、「ああ、こいつはわりと原始的な作りのやつなんやな」とか。
まあ、恐竜のことを理解しようと思うのであれば、これらの情報を覚えて損は無いはず。
みなさんぜひ、恐竜にハマってみてください。
それでは今日はこの辺で! 次回もよろしくお願いします! 最後まで読んでくださりありがとうございました!