こんばんは! DIT井上です!
さて、恐竜博2023の大阪での展示が終了して間もなく二カ月が経とうとしています。
ということで、お待たせいたしました!
恐竜博2023の展示の振り返り会を行いたいと思います!
それではどうぞ!
恐竜博2023の概要
恐竜博2023は、四年ごとに行っている恐竜博、つまりその四年の中での最新研究がギュギュっと詰まった恐竜の特別展です。
東京・国立科学博物館と大阪・大阪自然史博物館で行われました。
この年はですね、ズバリテーマは「トゲトゲ」です。アンキロサウルスなどが代表する鎧竜を中心に添えた展覧会になっています。その中で、北半球の肉食恐竜との間で繰り広げられる「攻守」や、南半球の恐竜についても触れています。
章は全部で五つ。
- 装循類の進化
- 鎧竜ズールのすべて
- 北半球における肉食恐竜の進化
- 南半球における肉食恐竜の進化
- 絶滅の最新研究
このような構成になっています。
この中からいくつかを選んで、写真を紹介しようと思います。プチ解説付きでね。
今回は第一章と第二章を紹介しますね。
第一章・装循類の進化
さぁ、早速最初のコーナーです。
ここでは初期の恐竜についてから、装循類がどのような進化を遂げていくのか、ということにスポットを当てて展示が組まれています。
これ、面白いです。左上にいる鎧竜、今回の主役であるズールが歩きだします。影が移動するんですよ。
スケリドサウルスです。もっとも古い装循類の恐竜の一つですね。右上にいるのが、ひとつ前の写真から歩いてきたズールです。
エオラプトルは、最古の竜脚形類(ディプロドクス、ブラキオサウルスなど)の恐竜。同時に、恐竜の中で最も古い時代を生きた恐竜でもあります。
これらはもっとも古い恐竜たちと、そのもととなった爬虫類たちの化石。四種類が展示されています。
このうち、スクテロサウルスは装循類の先祖だと言われています。この恐竜のルーツにはまだ議論が続けられています。
鎧竜の一種、アニマンタルクス。こちらは、尾にハンマーを持たないノドサウルスの仲間です。
ヘスペロサウルスです。みなさんご存じ、ステゴサウルスの仲間ですね。
ステゴサウルスやヘスペロサウルスの剣竜類と、ズールやアンキロサウルス、アニマンタルクスの鎧竜類は、同じ装循類に属する兄弟同士のような存在となっています。
時代的には、剣竜が一つ先を生きて、剣竜が絶滅したころから鎧竜の栄華が始まっているという感じですね。
オビラプトル、鳥の先祖の一種である恐竜の卵化石です。装循類とはまた別の種類の恐竜ですが、卵の中から骨が見つかった貴重な化石です。
モンゴルに住んでいたタラルルスです。コチラは尾にハンマーを持つアンキロサウルス類の恐竜です。
これで、第一章は終了です。
ここで解説、鎧竜の二種類
ここで解説します。
先ほど、アニマンタルクスという恐竜とタラルルスという恐竜の二種類が登場しました。
そこで少し述べたのですが、鎧竜には二種類があります。
一つは、アニマンタルクスのようなノドサウルス類。もう一つは、タラルルスやこれかた出てくるズールのようなアンキロサウルス類です。
どのような違いがあるかというと、尾の先にハンマーが付いているかついていないか、というのが一番わかりやすい違いです(例外はあります)。
ノドサウルス類にはハンマーが付いておらず、その代わりに肩に大きなトゲが二本突き立っています。これで体を守っていました。その他にも、全体的に鋭く尖ったとげが多いのがノドサウルス類です。(下の写真)
反対にアンキロサウルス類には尾の先にハンマーが付いています。ハンマーは骨の塊で、強靭な腱で尾と繋がっていて、これをむちのように振るうことで肉食恐竜から身を守りました。
鎧は、あまり大きなトゲは無く、石のような鎧が体を覆っていました。
時期的には、ノドサウルス類が白亜紀前期、アンキロサウルス類が白亜紀後期を生きています。
二種類の鎧竜について、お分かりになりましたか?
第二章・鎧竜ズールのすべて
さぁ、ここからついに、今回の目玉、ズール・クルリヴァスタトルの登場です!
じゃーん !
かっちょええですね。
これは、ズールがティラノサウルス類であるゴルゴサウルスとの戦いをしている場面です。
ズールの尾のハンマーが、ゴルゴサウルスの脛を捉えようとしています。
ズール・クルリヴァスタトルの「クルリ」とは脛、「ヴァスタトル」とは破壊者を意味しています。
これは、ズールと同じ場所で見つかったゴルゴサウルスの脛の部分の骨が、怪我をしていたことを示していたからです。
ちなみに、ズールというのはゴーストバスターズのキャラクターと似ているかららしいです。
こちらは頭骨。身体と同様にごつごつしています。
図録によると、まぶたは、骨質なんだそうです。
こちうらはゴルゴサウルスの頭骨。ティラノサウルスよりも早い時代を生きていた恐竜で、写真には写っていませんが、隣にいるティラノサウルスと比べると、頭骨のごつさが全く違いことが分かるはずです。
こちらはズールの発見直後の様子の化石です。
左から、尾、胴体、頭です。
尾の堅い腱はハンマーと直接つながっており、それが尾の骨を包むようになっているため、尾を強く振り、敵にダメージを与えることが出来たということが分かっています。
胴体には、鎧が削れているところが見当たりますが、これはズール同士がハンマーをぶつけ合った後と思われます。縄張り争いか何かということでしょうかね。
ズールの腹には、皮膚自体も残っており、角質などもしっかりあります。
これからの研究で気になってくるのはタンパク質の存在です。これを究明していくことで、体色なんかも明らかになるかも? ということです。
日本で見つかった鎧竜の化石。
こちらはテスケロサウルスという鳥脚類の小型恐竜です。
これはどういうことかというと、歯に付いた小さな傷から食べているものを特定していくという、非常に繊細な研究です。
この記事の最後の化石たち。
こちらは、同時代を生きた新種の角竜の化石になります。名前はフルカトケラトプス・エルキダンスです。
見つかった個体はまだ子供だと思われます。その証拠がいくつかありまして。
例えば、フリルが未熟なことや骨に筋が見られ、これがまだ若いことを示しているということがあります。
この恐竜は恐竜博の開催期間中に名前が付きました。
恐竜の成長の跡を見られるなんて、本当にすごいですよね。
さて、今日はこれで終わりです。
さいごに
さて、今日は恐竜博2023の振り返りでした。
やっぱり恐竜はロマンの塊ですね。
新しいことが次々と明らかになっていて、本当に面白い。
次は三、四、五章です。お楽しみに。
それでは今日はこの辺で! 次回もよろしくお願いします! 最後まで読んでくださりありがとうございました!