こんにちは! DITinoueです!
今回はですね、命名から今日で十周年を迎えた、兵庫県丹波氏から発見された竜脚類の大型植物食恐竜、タンバティタニスの特集と行きたいと思います。
福井県勝山市と並んで、日本の恐竜研究の二大前線と言えるような兵庫県丹波市の恐竜化石の先駆けとなったこの恐竜について、みっちり解説していきます。
それではどうぞ。
タンバティタニスとはどんな恐竜?
タンバティタニスがどんな恐竜かと言いますと、ずばりこんな恐竜です。
でん。
うん、デカい。
こちらは、丹波竜の里公園という公園にある巨大モニュメントなんですが、この大きさがなんと体長15mになります。
やぁ、デカいですな。
全身骨格は揃っていないものの、推定される大きさでは恐らく日本産の恐竜では最長になるだろうという感じです。
骨格のうち、尻尾の骨、尾椎に独自の特徴が見られたため新種登録されることになりました。
化石の学界への影響
この化石が発見されたのは丹波市と、お隣の丹波篠山市にまたがる篠山層群という地層でした。
この地層から初めて見つかった恐竜の化石がタンバティタニスであり、それがきっかけで大規模な調査が行われ、結果的に多種多様な恐竜の化石が見つかり、生態系が築かれていたことを認識させました。
さらに、哺乳類であるササヤマミロスやトカゲ類のパキゲニス、カエルのヒョウゴバトラクスやタンババトラクスを産出しており、福井県勝山市以外の主要な化石産地として認知されることになりました。
当時、白亜紀前期のティタノサウルス形類の資料はあまり多くなく、より進化したティタノサウルス類へどのような成長をしていたのかということは謎に包まれていました。
それを解明する一端として、福井県で発見されたフクイティタンと共に期待が持たれました。
タンバティタニス発掘物語
タンバティタニスの発見は2006年8月7日のことでした。
地元の化石愛好家である村上茂さんと足立冽さんは生痕化石(足跡の化石や哺乳類の巣穴の化石など、生物の生活していた跡の化石)を探していたところ、骨のようなものが露出しているのを発見し、二時間がかりで一部を取り出しました。
その後も二日かけていくらかの化石を採取し、三田市にある県立人と自然の博物館に持ち込み。その結果、化石は恐竜の肋骨であることが判明したのです。
それから人と自然の博物館の研究員やボランティアの方により、六回にわたって大規模な発掘調査が進められ、その結果、全身の大部分の化石や、他の恐竜の化石、小動物の化石など大きな成果が得られました。
愛称である「丹波竜」は第一発見者の二人が命名しました。発見された地名である「山南竜」なども選択肢にあったそうですが、お隣の篠山市(現丹波篠山市)や京都の丹波地方の人にも親しんでもらえるように、と現在の名前に落ち着いたそうです。
そして2014年の今日、新種登録がされたのです。
社会的な影響
過疎化が進んでいた丹波市に置いて、タンバティタニスの発見はまたとないチャンス。
町をあげて盛り上げに取り組んだ丹波市は様々なことを行いました。まずは、恐竜の町にするにあたっての施設の整備。
彼らは、博物館である丹波竜化石工房ちーたんの館をオープンさせ、発掘現場の近くにあった古い水力発電所を発掘について伝える場としました。
さらに、先程の丹波竜の里公園に巨大モニュメントや恐竜の遊具などを作り、その他にも様々な恐竜をPRするものを置いたのです。
元気村かみくげという施設では、「丹波竜うどん」や「丹波竜ラーメン」「化石巻」などのお土産、化石発掘体験ができる場所を作りました。
丹波市は「丹波竜」の商標登録出願を行い、「恐竜を活かしたまちづくり課」を発足させ、「恐竜化石保護条例」を施行しました。
住民の間では空前の恐竜ブームが巻き起こり、現在でもたくさんの観光客が恐竜目当てに丹波市を訪れています。
さいごに
というわけで、今回はタンバティタニス特集でした。
みなさんもタンバティタニスへの関心を持っていただけたでしょうか?
最近書いたように、篠山層群ではどんどん化石が見つかっており、お隣の丹波篠山市から発見されていた化石が「ヒプノベナトル」として新種登録されています。
この化石は現在、人と自然の博物館に展示されているので、みなさんぜひこの夏休みは三田市、丹波篠山市、丹波市の三市を訪れてみてください。
それでは今日はこの辺で! 次回もよろしくお願いします! 最後まで読んでくださりありがとうございました!