こんにちは! DITinoueです!
さて、今日はある新種の恐竜について紹介します。
それではどうぞ。
新種の恐竜、フォナ・ヘルゾガエ
今日の主役は、新種の恐竜、フォナ・ヘルゾガエです。
この恐竜は、小型の原始的な鳥脚類、ヒプシロフォドン類に属します。
フォナに近い、上のテスケロサウルスという恐竜なんですが、実は恐竜では数少ない“穴掘り恐竜”だったのではないかと考えられています。
そのため、他の恐竜よりもたくさんの化石が、良好な保存状態で見つかっているというのです。
現在では否定されていますが、一時期には、恐竜化石で初めて「心臓の化石が出た」という報告があったほどですから。
フォナも、ざっくり言うと同じような恐竜です。
はい。
白亜紀前期に生息した植物食恐竜ですね。
穴の掘り方
穴掘り恐竜・フォナですが、骨を見てみると、腰が頑丈で、いくつかの骨が癒合していました。また、肩の骨は太い筋肉が付着できるように広がっていました。
ということは、そこから導き出される穴の掘り方は、前足で土を崩しながら後ろ足でそれを蹴りだしていくという、ウサギやウォンバットのような掘り方だったのではないかと思われています。
ちなみに、この穴を掘る能力は、最近では多くの小型植物食恐竜が発達させていたのではないかと考えられていて、いくらかの恐竜に根拠が見つかっています。
白亜紀末期まで、この小型恐竜たちは、弱い立場にいるにも拘らず繁栄を続けていました。その秘訣が、現在のネズミなどと同じく穴を掘ることで身を守る、ということならば非常に納得できることでしょう。
生き埋めに
そのフォナの化石が、一か所でかなりまとまって見つかったんですね。
小型恐竜がそれほどまでにまとまってみるかるのはまれなことです。ただでさえ肉食恐竜の餌食になる立場で、しかも骨も華奢なので、当然残りにくい。さらに、今回は近くが河川だったと考えられているので、なおのこと残りにくいわけです。
それがなぜこんなにも残ったのでしょうか?
研究チームの結論は、フォナが穴を掘ったから、というものでした。
実は、2007年に報告されたオリクトドロメウスという、フォナやテスケロサウルスと同じような小型の鳥脚類恐竜も穴をいたと考えられており、その恐竜が先駆けだったんです。
ちなみにそのオリクトドロメウスが穴を掘っていたと考えられるようになったのは、当然穴と見られる痕跡があり、そこでまとまって見つかっていたから。
つまり、穴の中で生き埋めになって死んでしまった、という線が濃厚です。
フォナもテスケロサウルスも、同じように生き埋めになってしまった……。
理由は、嵐を避けようとして穴を掘ったところ、河川の洪水に呑まれてしまったというのが一説にありますが、正確には分かりません。
そんな、太古の生物たちの物語に思いを馳せるのも、古生物学の面白いところです。
さいごに
というわけで、今回は“墓穴を掘ってしまった”新種の恐竜、フォナについてご紹介しました。
小さな身体なら小さな身体なりの身の守り方があります。多種多様な恐竜はそれぞれ十人十色の武器を発達させて、生存競争を生き抜いていたんですね。
現在の自然界・そして人間界にも通じることです。
自分だからこその武器で、時代を生き抜く。
それは、どこの時代も生物も同じなのかもしれません。
それでは今日はこの辺で! 次回もよろしくお願いします! 最後まで読んでくださりありがとうございました!